今月20歳の誕生日を迎える二女宛てに、日本年金機構からの大切なお知らせとして「国民年金加入のご案内」が届きました。

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◆国民年金の掛金総額と受取年金総額

日本では、20歳になると国民年金への加入義務が生じます。
60歳までの40年間掛金(保険料)を支払うことで、老後の生活を支える収入源となる老齢基礎年金を65歳から受け取れます。
保険料は毎年少しずつ変化しますが、今年度(平成28年度)は月額16,260円。
前納すると割引されることは知られていますが、口座振替の利用にも割引があり、毎月の保険料が16,210円となることはあまり知られていないかもしれません。

今後の掛金の変化を無視して、現在の16,260円を40年間(=480ヵ月)支払うと、掛金の総額は7,804,800円。

それに対して、65歳から受け取る年金額は、年間約78万円です。(この金額も毎年変わります)

単純計算では、75歳までの10年間で受取総額が約780万円となり、支払った掛金の元が取れます。男性も女性も、平均寿命ぐらいまで生きることを前提にすると、「掛けると損」にはならないわけです。

将来の年金受取開始年齢が67歳~70歳ぐらいに引き上げられるんじゃないかとか、受け取れる年金額がどんどん減るんじゃないかといった不安が拭えないのは事実です。ただ、こうした単純計算すら自分でやらずに、世間のイメージで「掛け金を払っても意味が無い」的な感覚をお持ちの方も多いように感じるのです。

付け加えると、国民年金のような公的年金制度は、将来受け取る老後の年金(老齢年金)だけではありません。
一定の障害状態になった場合に受け取れる「障害年金」や、自分が亡くなった際に遺された家族の生活を支える「遺族年金」という形で受け取ることもあるため、イザという時の保障の役割もあることは、ちゃんと理解しておきたいものです。

◆お知らせは正しく理解されるのか?

さて、このお知らせは二女宛てにきたものですから、当然二女に渡します。
どうやら、友人の間でも話題になっていたらしく、「友達も届いたって言ってたけど、これ何なん?」というごもっともな質問が。
友人の1人が親御さんに聞いたところ、「私もよくわからないから、自分で読んでちゃんと手続きしておきなさい」と突き返されたそうです(苦笑)。

残念ながら、日本の多くの学校では年金の仕組みを詳しく学ぶ機会がありません。そのため、届いた書類をそのまま渡されても「どうしたらいいの?」となってしまうケースが一般的でしょう。
さらに、「年金の仕組みを詳しく学ぶ機会がない」というのは、社会人になってからも同じです。自分の親や身近な大人に尋ねてみたとしても、正確な答えが返ってくることは少ないかもしれません。

「わからないから私に聞かないで」という反応は、ごくごく自然なものだと心得ましょう。

◆保険料は猶予(=支払いを先延ばし)する制度がある

もちろん「よくわからないから放っておこう」はいけません。

まず、お知らせに同封されている「国民年金被保険者資格取得届出書」は、誕生日の前日から14日以内に提出しなければいけません。
そして、学生である場合は「学生納付特例制度」がありますし、学生でない場合も「若年者納付猶予制度」がありますから、保険料の支払いが厳しいのであれば、こうした制度を利用する申請書を同時に提出することができます。

つまり、お知らせが届いた時点では、

    1. 「国民年金被保険者資格取得届書」を提出し、国民年金保険料を払う

 

    1. 「国民年金被保険者資格取得届書」と同時に、「学生納付特例」や「若年者納付猶予制度」の申請書を提出し、当面の保険料を払わない状態にする

 
のいずれかの行動が必要になるわけです。

ただ、この場合「学生納付特例制度」や「若年者納付猶予制度」が何なのかがわからないと、申請をするべきかどうかの判断ができないですよね。なので、この2つの制度の仕組みを知る必要があります。

同封の書類の中にも、こうした制度の説明は書かれているのですが、初めて読んだ20歳の学生に理解できる文章だとは思えない点が残念ではあります。

「学生の方が、申請により保険料の納付が猶予される制度です」

まあ、事実としては間違いないのですが、「保険料の納付が猶予されるってどういうこと?」とか、「猶予されたらその後はどうなるの?」といった、肝心な部分が伝わっていないのではないでしょうか。

限られたスペースで制度を正確に伝えることの難しさはよく理解しているので、しかたない面もあるでしょう。
ただ、「何らかの決断が必要な時に、決断するために必要な情報が正しく伝わっていない」という点は、何とか改善していきたいものです。

なお、会社や団体に勤めたり公務員となり、お給料をもらうようになると、厚生年金に加入します。
こちらの手続は、勤め先を通じてやってもらえるので、今回はまったく触れませんでしたが、やはり仕組みはしっておくべきでしょう。

ちなみに、国民年金と厚生年金の仕組みは、FP3級で学ぶので、保険料の猶予制度や、猶予制度を利用した場合の将来の年金受取への影響なども理解できます。

このように「知っておかないといけない基本的なお金周りの知識」を身に付けることこそ、私が「国民総FP化」をしつこく言い続けている理由でもあるわけです。

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