2016年度の税収は、7年ぶりに当初の見積もりから下方修正されるようです。
逆をいえば、2010年度から6年連続で上方修正されていたわけです。日本は経済成長が見込めないとか、長期的に停滞しているという論調を目にすることが多い反面、数字を見る限り「停滞」という言葉が当てはまらないように感じます。

さて、税金といえば、2017年度の税制改正案の大枠が固まりつつあります。

このところ、報道を目にする機会の多い配偶者控除の見直しでは、扶養されている側(多くの場合は妻を想定)の対象となる年収を現在の103万円から150万円に拡大する一方、扶養している側(多くの場合は夫を想定)の年収が1,220万円以上になると控除額がゼロとなる内容が濃厚です。
税制改正大綱は12月8日に決定され、12月下旬に閣議決定を経て、年明けに国会に提出され、3月までには法案が確定する流れとなります。

◆勤務先の配偶者手当

配偶者控除の問題と一緒に取り上げられることが多いのは、勤務先から支給される配偶者手当や家族手当といったものです。
この手当の支給要件は勤務先によって異なるものの、「配偶者控除の対象となる配偶者がいること」のように、税制連動の例が少なくありません。

例えば、配偶者手当として、夫が勤務先から毎月15,000円を受け取っていたとしましょう。
手当の対象となる配偶者(この場合は妻)が、「税制上の配偶者控除の対象」から外れると、勤務先からの配偶者手当もなくなってしまうため、年間180,000円の収入減となります。
もちろん、妻がその分収入を得られるのであれば問題ないのですが、こうした手当が無くなることを気にされる方もいらっしゃいます。

こうした点を考慮し、11月16日の参議院本会議において、国家公務員の配偶者手当を段階的に減らす改正給与法が可決、成立しています。
配偶者手当の比重が低くなれば、これを気にして働き方を調整するケースも少なくなるわけですから、民間企業も含め、世の中の流れ的に「配偶者手当」は縮小する方向に向かっているようです。

◆働くことの意味

ライフプランを作成するまでもなく、世帯収入が多いと家計にゆとりがでるのは間違いありません。ただ実際には、1,000万円を超える世帯収入がありながらも、ゆとりとはほど遠い家計状況の方もいらっしゃれば、300万~500万円の世帯収入でも、十分にゆとりをもって生活されている方もいらっしゃいます。
つまり、収入というのは「絶対的な金額」が大事なのではなく、その方の生活環境や生活スタイルに応じた「支出とのバランス」が大事だと言えるでしょう。

税金や社会保険料の支払いによって、手元に残るお金(=可処分所得)が変動するのは事実ですから、まったく気にしないというのは難しいかもしれません。ただ、そもそもなぜ自分が働くのかを考えた時に、家計を支えることが目的であれば、現在の環境で達成できる最大限の収入獲得を目指すべきでしょうし、社会貢献や生きがいという要素に重きを置くのであれば、税制を気にして調整するということ自体が馴染まないように感じます。

◆制度変更は他人事ではない!

少子高齢化の進行が続く日本では、高齢者に対する社会保障の負担増の傾向は避けられないでしょう。実際、公的介護保険では、2015年8月に2割に引き上げられた一部の高所得者に対する自己負担割合を、3割に引き上げる案が検討され始めていますし、後期高齢者医療制度において、専業主婦向けの保険料を軽減する優遇措置の見直しや、高額療養費制度の自己負担引き上げも話題になっています。

こうして見ると、なんだか気持ちが暗くなってしまいますが、国全体でみんなを支え合う制度(=公助)だと考えると、私たち1人1人が制度をちゃんと知ることが大切です。
その上で、何かおかしなことが起こっていたら、その意見をちゃんと伝えるようにしなければいけません。そのためには、国に対して意見を伝えてくれる人をちゃんと選ぶ必要があり、選挙のことをもう少し真剣に考えないといけないよね・・・という話に繋がります。

選挙のたびに報じられる「投票率の低さ」こそが、問題の根源なのかもしれませんね。

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