平成29年度の年金額改定

1月27日に厚生労働省から、来年度の年金額改定が公表されました。

■平成29(2017)年度は779,300円

2016年の消費者物価指数の下落を受けて、国民年金(基礎年金)の満額は0.1%減額の、月額64,941円となります。年額としては公表されていませんが、計算式に当てはめると779,300円となるので、現状の780,100円からは800円の減額となります。

公的年金の金額は、物価変動と名目手取り賃金変動率をベースに毎年改定されます。
2016年は、消費者物価指数(総合指数)が0.1%の下落で、名目手取り賃金変動率は1.1%の下落。両方とも下落した場合で、名目手取り賃金変動率が物価変動率を下回った時は物価変動率が適用されることになるので、結果として今回は0.1%の引き下げとなったわけです。

年間800円の減額が、たちまち生活に影響を及ぼすことはないとはいえ、「公的年金の受取額が将来減るという不安」を大きくする要因にはなりそうです。

ちなみに、私が社会人になった1994年の年金額は747,300円だったので、その後の23年間で約4%上昇しています。
「年金受給額は年々減っている」という印象を持つ方は多いのですが、数字上は増えています。
しかも、この間の消費者物価指数の上昇率は約2%ですから、実質的な価値としても増えているのです。
イメージって怖いですね。

なお、第1号被保険者が負担する国民年金の保険料は、月額16,260円から16,490円に引き上げられるので、年間では2,760円のアップとなっています。

■「自分の場合」の受取額を知っておく

退職後の生活資金設計(リタイアメントプラン)を考える際、「公的年金だけでは足りないのではないか?」という話は常に出てきます。

もちろん、生活に必要なお金は人によって違いますし、受け取る年金額も人によって大きく違いため、一概には言えません。
先ほどの数字(年額779,300円)は国民年金からの給付だけですが、お勤めの方が加入している老齢厚生年金も含めると、夫婦2人の標準的な年金額は月額約22万円と公表されてるので、毎月の生活費を賄うだけであれば、何とかなるかもしれません。

単身の方は1人分の年金額なので、これより少なくなりますが、一方で生活費も抑えられる可能性が高いので、いずれにしても、不足するかどうかを知るには自分自身で計算するしかないのです。

毎年誕生月に手元に届く「ねんきん定期便」には、これまでに払い込んだ保険料と、将来受け取る年金の見込額が記載されていますから、最低限ここに書かれている数字は把握しておきましょう。

■多様な選択肢を忘れない

これらの計算を経た上で不足額が出そうな場合はもちろん、生活以外に掛かる様々な支出をカバーするための蓄えを残すには、自助努力が必要となります。

会社員や公務員、団体職員の方で、お勤め先の退職金制度がある方は退職金の見込額を調べることが第一歩ですが、そうでなければ、自分の意思で何かを始める必要性は高いかもしれません。
自動引き落としで貯められる定期預金や投資信託もあれば、自営業やフリーランスの方であれば「小規模企業共済」や「国民年金基金」といった制度もあります。また、今年から加入対象者が広がった「確定拠出年金制度」を活用するケースもあるでしょう。

こうした制度や商品にはそれぞれ一長一短があるため、自分にとって一番いいものを選ぶのはなかなか大変です。とはいうものの、悩んでいて何も選べないうちに時間が過ぎてしまうのは避けたいですから、まずは無理のない範囲で始めてみる、という姿勢が大切かもしれません。

なお、老後資金積立を目的にした代表的な商品である「個人年金保険」について、2017年4月以降の保険料が引き上げられるようです。
これは、保険料を決める要素の1つである「予定利率」が引き下げられるためですが、くれぐれも「保険料が上がる」ことだけを理由に慌てて加入することが無いよう、自分の必要性をしっかり考えるようにしてください。

そして最後に。
老後の生活に備える方法は、何もお金だけではありません。

例えば、移住を誘致している自治体などで格安の住宅を手に入れ、自分たちが食べるものは自分たちで作るという、「日常生活に極力お金を掛けない生活」を送っている方は実際にいらっしゃいます。
もちろん、デメリットがゼロの方法はありませんから、事前に問題点や課題をしっかり押さえておく必要はありますが、ご自身の価値観の中でこうした選択肢もありなのであれば、積極的に情報収集したり、地域の人とのネットワークを広げておくことこそ、老後に備えて必要な準備になるはずです。

多様な選択肢を忘れないことこそ、最も大切なことなのかもしれません。

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