高齢者の財産管理とフィンテック

先日、フィンテックに関するセミナーを受講する機会がありました。

フィンテック(Fintech)とは、FinanceとTechnologyを組み合わせた造語で、ITを活用した金融サービス全体を指します。

身近になりつつあるフィンテック

さて、このフィンテックは、スマホの普及とともに急速に広がっています。

身近なところでは、お財布ケータイや家計簿アプリを利用している人は多いかもしれません。コミュニケーション手段として多くの人が利用しているLINEがサービスを始めた「LINE Pay」は、以前メルマガ(324号)で取り上げたことがあります。

友人や仲間と食事に行った際、計算した金額をLINEを通じて送金し合えば、集金の手間も省けるし、細かいお金が無くても気にしなくて大丈夫。こちらはまだ普及には至ってませんが、身近なちょっと便利なことは、これからも増えることでしょう。

このように、生活がより便利になることが謳われているフィンテックですが、一方で、自分の感覚だけでは継続できない細かいお金の管理や、財産管理の安全性を高める手段としても活用できそうです。

「チリも積もれば山となる」投資

例えばカフェで420円のドリンクを飲んだとします。
レジで500円を支払えば、80円のおつりを受け取るわけですが、この80円を自動的に投資や積立に回すという設定ができたりするのです。

日本でのサービス開始はこれからのようですが、米国ではAcorns(エイコーンズ)という企業がすでに実現しているそうです。

小銭で受取る80円は、気が付けばすぐに無くなってしまうかもしれませんが、電子マネーを通じて積立をすれば、1ヶ月経つと結構な金額になりますよね。

仮に、カフェやランチ、ちょっとしたお買い物で、1日3回、お金を支払う機会があるとすると、1ヶ月では90回。1回80円ずつの積立が7,200円ですから、1年で86,400円の積立が出来てしまいます。そのお金で家族旅行に行ってもいいでしょう。また、この行動を40年間続ければ約345万円ですから、老後の備えとしては心もとないですが、準備資金の助けぐらいにはなるでしょう。

まさに「チリも積もれば山となる」です。

昔から500円貯金なんていうのがありましたが、それをより確実に実行するための仕組みでもある上、単に貯金箱に入れるのではなく、投資信託などの購入によって、少しとはいえ運用益が得られる可能性もあるわけです。
全国で100万人の人がこうしたサービスを利用すれば、864億円の新たな投資需要が生まれる計算になり、経済の活性化に貢献できるかもしれません。

振り込め詐欺や不正な使い込みを防ぐ手段

そしてもう1つ考えられるのは高齢者の財産管理です。

こういうサービスがあるかどうかは知りませんが、例えば、離れて住んでいる親が、10万円以上の振り込みを使用とした場合、予め連携しておいた子どものスマホアプリにその情報が入り、そこで「承認」をしないと振込が実行されない、なんてことができれば、振り込め詐欺による被害をかなり減らせるのではないでしょうか?
最近問題になっている、後見人による財産の使い込みなども、他の親族の監視の目が付くことにより防げるかもしれません。

これからしばらくは、高齢者がどんどん増える時期です。

加齢に伴う判断能力の低下は、程度の差こそあれ、多くの人に降りかかる事実ですし、時代が変わってもお金にまつわるトラブルはゼロにはなりません。
人の介在によって不正が発生するのであれば、それを防ぐ仕組みこそ感情を持たないITの出番なのではないでしょうか。

高齢者の財産を守ることは、いずれ引き継ぐ子世代の財産を守ることでもあります。
送金や家計簿管理を便利にしていくだけでなく、財産管理の弱点を補完する機能こそ、どんどん進化してほしいと願わずにはいられません。

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