納税意識を高めましょう

2月16日から3月15日までは、所得税の確定申告期間です。

勤務先からお給料を受け取っている人は、原則として年末調整によって税金の精算が終わるため、確定申告を意識していない方も多いかもしれません。

■源泉徴収制度の功罪

いわゆる「給与所得者」は、毎月のお給料から税金が天引きされています。

そもそも所得税は「1月1日から12月31日までの1年間の所得」に対して課せられるもので、本来でしたら12月31日にならなければ金額が確定しません。
ただし、お勤めの方が勤務先から受け取るお給料の多くは毎月の水準が決まっている上、12月の支給日をもって年間の総額が確定します。
そこで「今年はこれぐらいの収入になりますよね」という見込みで、毎月のお給料から天引きしておき、12月の支給額が決まった時点でそれまでの過不足を調整して完了する仕組みになっているわけです。

予め徴収するこの仕組み「源泉徴収制度」と言いますが、これによって手続きが楽になる反面、税金に対する意識が希薄になるというデメリットもあります。

■選挙時の投票率が低い理由

税金に対する意識が希薄だと、その使われ方に対する意識も希薄になりがちです。

税金の使い道は、国や地方自治体の議会で決められますが、ここで議決権を持つ政治家(と総称します)は、国民の選挙によって選出されます。
お金の使い道を決める(だけではありませんが)という大切な役割を担う政治家を決めるわけですから、本来であれば選挙権を持つ人の多くは選挙に行くべきですが、昨年の参議院選挙で54.7%だったように、日本の投票率の低さは有名です。

罰則があるかなどの制度の違いもあるため、一概には比較できませんが、オーストラリアの投票率は常に90%を超えているそうです。国際統計データを専門に扱うGLOBAL NOTEによると、2016年2月時点の日本の投票率は191か国中153位でした。

この要因は、もちろん1つだけではありませんが、源泉徴収制度などによる納税意識の低下も影響しているように思います。

■ふるさと納税に見る人々の意識

この納税に関連する意識が高まった制度の1つに「ふるさと納税」があります。

平成27年度に利用された金額(=地方自治体の受入額の合計)は約1,653億円で、前年の約389億円から4倍以上に増えました。金額が大きく増えた背景には、平成27年度からふるさと納税枠が倍増したことと、ふるさと納税ワンストップ特例制度の創設により、手続きが簡素化されたことがあげられています。

このふるさと納税は、地方活性化政策の1つとして平成21年度に誕生した寄付制度です。
人口が都市部に集中する中で、税収が縮小している自分の生まれ育ったふるさとの自治体に対して納税できる制度があっても良いのではないか、という問題提起から始まりました。
つまり、納税者に税金の使い道を意識してもらうための取り組みでもあるわけです。

一方で、税収を増やしたい(=多くの寄付を受けたい)自治体が、納税者に対して実施している「返戻品」が大きくクローズアップされたことで、「地域の特産品がもらえるお得な制度」という認識で利用を始めた人も少なくないでしょう。

そして、この返戻品競争が激化した結果、タブレットや電化製品といった、地域の特産品
とはいえない物も増え、寄付額の1,653億円に対して、返戻品調達のための費用が793億円にも上っているそうです。
このような現状を受け、国は自治体に対して是正を促す方針を発表しています。

税金の使い道について意識を向ける納税税者増えることは望ましいものの、本来の趣旨を理解しないまま「お得な通販」として利用している人が増えているのであれば、確かに見直す必要がありそうです。

私たちの生活に税金との関わりは欠かせません。確定申告をする方は、申告書の作成時に自分の納税額を意識するものですが、年末調整で終わっている方もよくわからないからと敬遠するのではなく、源泉徴収票をよく見て、1年間にどれだけの税金を負担しているかを意識してみてはいかがでしょうか。

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