新年度になり、新たな環境での生活がスタートしたという方もいらっしゃるでしょう。
SNSの中でも、新生活のスタートを報告される投稿が目につき、期待と不安の入り混じった様子が伺えます。
桜が咲き始めるこの時期は、何となく気分が華やぐ季節でもあります。

■平成29年度の年金額

さて、4月1日から公的年金の金額が変更になりました。

全体としては0.1%の減額となっており、ベースとなる、国民年金からの基礎年金の満額は780,100円から779,300円に。
また、遺族基礎年金や障害基礎年金の子の加算額は2人目までが224,500円から224,300円に減額となっていますが、3人目以降の74,800円には変更ありません。
昭和18年4月2日以降生まれの方の配偶者加給年金は390,100円から389,800円となり、中高齢寡婦加算は585,100円から584,500円になっています。

厚生年金は、働いていた期間とその時のお給料によって計算されるため、人によって受取額は様々です。

例えば、同じ40年間の厚生年金保険料納付期間がある人でも、その期間の平均年収が300万円の人だと、受給額は約66万円で、500万円の人だと約110万円。
厚生労働省のモデルケースでは、夫婦2人の受給額を「月額221,277円(前年は221,504円)」としているので、年額2,655,324円。そのうち夫婦の老齢基礎年金が2人分で1,558,600円ありますから、単純計算した厚生年金は年額1,096,724円。年収500万円程度で計算された数値となります。
(厚生労働省の前提条件は「賞与を含む平均標準報酬を42.8万円」としています。)

■想定と現実の違い

ここで、国税庁が発表している平成27年分の民間給与統計実態調査に目を移すと、4,794万人の給与所得者の平均給与は420万円となっていて、厚生労働省のモデルケースより少ないことがわかります。
しかも総務省の労働力調査によると、2016年10月~12月平均の雇用者5,415万人のうち非正規の従業員が2,042万人で、全体の37.7%を占めています。
非正規雇用者の平均給与が約171万円ですから、実際の年金受給額は、モデルケースより少ない人が多数派なのは明らかです。

■人生100年時代の将来設計

昨年話題になった「LIFE SHIFT」という本があります。この本の副題は「100年時代の人生戦略」でした。2007年生まれの半数の平均寿命が107歳に達する「長寿化時代」になっているとして、それに備えた人生設計を推奨した内容です。

本の内容をかなりざっくりまとめると、

    • 「10~20代前半は教育を受け、60歳過ぎまで働き、引退して余生を過ごす」という3ステージの人生モデルは崩壊している。

 

    • 仕事の期間の長期化により、ステージの移行を多く経験するマルチステージになり、働き方のほか、健康・スキル等の「無形資産」に積極的に目を向けなければいけない。そして、それに応える教育・企業・政府による取り組みと改革が必要となる。

 

  • 大規模で多様性に富んだ人的ネットワークは重要な無形資産。知識より大事。何を知っているかではなく、誰を知っているかが重要な要素となる。

という感じでしょうか。

時を同じくして、自由民主党の「2020年以降の経済財政構想小委員会」が「人生100年時代の社会保障へ」と題した提言を公表しており、この中でも「雇用を守るのではなく、人を守るへの発想の転換が必要」ということが書かれています。
民進党も「社会保障政策調査会」を設置しており、これまで抜本的な改革が先送りされてきた社会保障制度について、さすがに待ったなしの状況が近づきつつあるように感じます。

■充実した人生に不可欠の要素

ただ、「LIFE SHIFT」の中では、「人生に満足している人に共通する際立った要素の一つは、生涯を通して深くて強力な人間関係を築いていること」であることが紹介されています。
経済面で生活に不安が無いことはとても重要ですが、周囲との人間関係(私はこれを総称して「愛」と呼んでます)を築くことは、本当に大切です。

お金の面の心配だけでなく、より充実した人生を過ごすための準備をしたいものです。

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