厚生労働省の発表によると、日本における2013年の健康寿命は、男性が71.19歳、女性が74.21歳となっています。

一方、人間が平均的に何歳まで生きるのかという平均寿命は、男性が80.79歳で、女性が87.05歳ですから、その間に男性で約9年、女性は約13年の差があります。
この期間は「日常生活をおくるために、誰かの手助けが必要」となる可能性が高い、つまり介護を受ける可能性が高い期間といえそうです。

ちなみに、生命保険文化センターの統計による介護期間の平均は、4年11ヶ月となっています。

■公的介護保険の概要

ご家族のどなたかが介護を必要とする状態(要介護状態)になった場合、介護をする側への経済的、身体的、精神的な負担が問題となります。
そこで、ご家族の事情に合わせた介護事業者のサービス利用を検討するわけですが、その際に大きな助けとなるのが公的介護保険の存在です。

介護事業者を利用した際の料金は、内容に応じて様々ですが、原則として利用料金の1割だけを本人が負担し、残りの9割は介護保険で賄われます。
つまり、1ヶ月に10万円分のサービスを利用した場合でも、実際の負担は1万円で済むわけです。
ちなみに、一定以上の所得があると自負担割合が2割となり、さらに2018年8月からは、3割負担となるケースも出てきます。

■要介護度が上がると有利なのか?

では、原則通り1割負担の人が、1ヶ月に100万円分の介護サービスを利用したとしましょう。この時も本人負担は1割の10万円でいいのでしょうか?

もちろん、そんなことはありません。

公的介護保険には、要介護(要支援)の区分に応じた「支給限度基準額」が定められており、1割負担で利用できるのは、この支給限度基準額の範囲内に限られます。

この基準額は、一番軽度の「要支援1」の場合で5,003単位、一番重篤な「要介護5」の場合で36,065単位です。
地域によって差があるものの、1単位はおよそ10円なので、ようするに1ヶ月で50,030円~360,650円の範囲であれば、1割負担でサービスが受けられるというわけです。

この基準額は、介護区分が上がると引き上げられます。
例えば、要介護3の方の限度額は26,931単位なので、およそ269,310円。
要介護5の場合は360,650円でしたから、より多くのサービスを受けたいのであれば、「高い介護区分の認定を受ける」ことが望ましく見えます。

一方で、同じサービスを利用した際、介護度が高いと単価が上がるケースがでてきます。

つまり、同じサービスを利用する場合に、要介護3の方は10,000円で利用できるのに、
要介護5の方は11,000円かかる、といったことが発生するのです。この点はあまり意識されていませんが、注意すべきでしょう。
ようするに、要介護度が高く認定されることが一概に有利とは言えないのです。

■介護は突然訪れる

子育てと違い、介護はある日突然発生することが少なくありません。

加齢とともに、介護状態となる可能性が高まっていることは理解しながらも、具体的な準備をしないままその日を迎えてしまいます。
身近な人に介護が必要でないうちは、「全く関係の無い遠い話」ですから、頭ではわかっていても、準備を先送りしがちです。

平成29年1月時点で3,429万人いる介護保険の第1号被保険者(65歳以上の人)のうち、要支援・要介護の認定を受けた人は合計で629.2万人。65歳以上の約18.3%にのぼるのです。
特に、要介護認定を受けている人の85.8%が75歳以上ですから、70歳では他人事でも、75歳になると当事者になる可能性が高いと言えそうです。

2025年には団塊の世代が75歳の年齢を迎えられます。介護については、正しい知識と情報を元に、早い段階から準備を始めておくようにしたいものです。

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